研究概要 |
本研究は特殊関数計算を行列算法という,これまであまり強調されなかった新しい視点から見ようする萌芽的研究である。すなわち,特殊関数に関する過去2世紀以上の研究成果をどれ位行列の言葉で語り直せるか,さらにこれよりどんな新算法、親知見が得られるかの調査を行ってきた。さらに計算結果のビジュアル化もこの研究の視界に入れてきた。 中心的アイデアは最小解を有する同次2階差分方程式(3項漸化式)の無限行列方程式への再定式化とその合理性、有効性の発見である。数学的には無限行列A=[a_<ij>]の固有値問題をn次切断行列A_n(Aのn次主座小行列)の固有値問題でどんな意味で近似できるのか、近似誤差はnのどんな関数で表わされるのか、とくにn→∞の場合の漸近挙動はどうなるのか、について調査を行ってきている。 本年度は、これまでの研究で明らかにできなかったスフエロイド関数の固有値計算問題、固有値(パラメータの関数)の微分可能性を全域で保証するには、固有値の「つなぎかえ」が必要となることの発見、マシュー固有値逆問題の解法等に見るべき成果を得ている。
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