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1997 年度 実績報告書

保存量を考慮した確率力学系の差分法とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 09640285
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋市立大学

研究代表者

三澤 哲也  名古屋市立大学, 経済学部, 助教授 (10190620)

研究分担者 宮原 孝夫  名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (20106256)
橋本 佳明  名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (50106259)
清水 昭信  名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (10015547)
キーワード確率力学系 / 保存量と対称性 / 構造再現性 / 確率数値解析 / 非線形マクロ動学 / Fleming-Viot過程 / wavelet解析 / 数理ファイナンス
研究概要

本研究は、確率微分方程式で記述される確率力学系が保存量や対称性といった何らかの力学構造を有するとき、その構造を数値的に再現しうる確率微分方程式の差分法を開発しその近似精度を含めた特性を明らかにするとともに、得られた結果を経済学、数理生物学物理学等に現れる具体的な確率系のシミュレーションに適用することでその有用性を検証することを課題としている。本年度は課題の基礎研究と将来の応用が期待される関連諸分野の調査研究を行い、研究代表者・分担者はそれぞれの担当課題に応じて、関連する雑誌・学会・研究会・外部からの研究者招聘などによる研究成果発表や情報収集を行った。得られた成果内容の概要は以下の通りである。
(1)三澤はエネルギーを保存量としてもつ確率Hamilton系にたいし、その保存量を数値的に再現するような確率数値スキームを開発し、それが通常の3次のTaylor確率スキームよりも精度のよい近似数値解を与えることを示した。さらに関連する話題として確率系の対称性概念から保存量を導く新手法ならびに対称性による系の簡約化理論を定式化した。今後これらの結果を利用することでよりよい確率数値スキームの開発が期待される。
(2)研究課題の応用にかんする調査研究の一環として、三澤は、非線形マクロ動学モデルにたいするノイズ摂動モデルの確率数値分析を関係する研究者と共同で行った。また清水は、数理生物モデルに現れるFleming-Viot過程の解析的研究を行い、あわせてその数値近似表現を得るさいに必要となる乱数の生成法について調査した。橋本は、関数方程式の近似解法に関連してwavelet関数系を用いた解の近似構成法について研究した。宮原は、ジャンプ型株価過程にもとづくオプション商品の価格付け理論を測度論的立場から展開すると共に、具体的に価格を求めるための計算アルゴリズムを開発した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Misawa: "The similarity method in stochastic dynamical systems" IMA Journal of Applied Mathematics. 59. 261-272 (1997)

  • [文献書誌] T.Misawa: "A method for deriving conserved quantities from the symmetry of stochastic dynamical systems" Nuovo Cimento B. (to appear). (1998)

  • [文献書誌] T.Asada, T.Inaba and T.Misawa: "Nonlinear business cycle model in an open economy : noise effects on the dynamics" Proceedings of 1997 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. 505-507 (1997)

  • [文献書誌] 浅田統一郎、稲葉敏夫、三澤哲也: "開放経済における非線形マクロ動学モデル:数値シミュレーション分析" 経済学論纂(中央大学). 38・6 (to appear). (1997)

  • [文献書誌] A.Shimizu: "A genealogical problem of a stepping stone Fleming-Viot process" Annual Review,Institute of Natural Sciences Nagoya City University. 2 (to appear). (1997)

  • [文献書誌] 橋本佳明: "特異摂動問題のウェーブレット解析" Annual Review,Institute of Natural Sciences Nagoya City University. 2 (to appear). (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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