研究課題/領域番号 |
09640287
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小松 孝 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047365)
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研究分担者 |
根来 彬 静岡大学, 工学部, 教授 (80021947)
西尾 昌治 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90228156)
藤井 準二 大阪市立大学, 理学部, 講師 (60117968)
平場 誠示 大阪市立大学, 理学部, 助手 (30260798)
釜江 哲朗 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047258)
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キーワード | マルコフ過程 / 擬微分作用素 / 確率微分方程式 / ソボレフ空間 / マルチンゲール / マリアバン演算法 / 飛躍型確率過程 / 確率密度関数 |
研究概要 |
本研究課題に関して、平成10年度の研究計画に挙げていた事柄は、前年度の目標に引き続いて、(1)限られた正則性しかない変数次数の擬微分作用素に適応したSobolev空間を定義し、飛躍型のMarkov過程との対応を視野に置いて、その空間上の解析を行うこと、(2)変数次数や退化型の非局所的な生成作用素を持つMarkov過程の推移関数の正則性を、飛躍型の確率微分方程式に対するMalliavin演算法的な確率解析によって示すこと、等であった。 (1)に関しては、前年度発表のNegoro-Kikuchiの論文において、擬微分作用素論によるSobolev空間解析により、変数次数の生成作用素に対しても、十分な正則条件のもとでは、Feller過程が対応することが示されている。また、Negoro-Kikuchiは退化を許すLevy測度を持つ生成作用素に擬微分作用素論を適用し、Malliavin演算法によらない方法で、その生成作用素に対応するMarkov過程が推移確率密度関数を持つことを示した。この研究経過は、今年度の日独共同開催の確率論研究会で報告されている。(2)に関しては、Komatsu-Takeuchiは、飛躍型確率微分方程式に対してMalliavin演算法的な確率解析を展開し、既に前年度に、変数次数の生成作用素に対応する場合のものも除外されない、Bismut-Leandreの意味よりも本質的に弱い非退化条件のもとで、方程式の解の確率密度関数の存在を証明し、研究会及び学会で発表していた。本年度はこの研究を発展させ、Malliavin共分散行列式の逆数の任意次数の可積分性を示す簡略な方法を発見し、この方法を用いて、先のものと類似の非退化条件のもとで、確率密度関数が滑らかであること証明した。この成果の一部は上記の日独確率論研究会で報告したが、全体については、現在報告準備中である。
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