研究概要 |
産業に現れる非線形現象を記述する非線形放物型方程式系のうち、電磁流体系の方程式系について主に研究を進めた。とくに、磁気流体系の解の特徴とその決定条件,および常微分方程式系の解の長時間後の振舞を特徴付けるアトラクターのフラクタル次元の計算法の2つ分野に関して研究協力者と共に研究し次のような成果を得た。 1.R^3におけるMHD方程式の初期値問題の滑らかな解は|x|→∞のときの漸近挙動が |▽_xu(x,t)|,|▽_xB(x,t)|≦A (|x|→∞), |p(x,t)|≦A(1+|x|)^<-1/2> (|x|→∞). を満たせば単独であることを示した。 2.磁場の影響下における電気抵抗のある粘性流体の熱対流を記述する磁気ベナ-ル系を簡約化した簡約化磁気ベナ-ル系(SMBS)はカオス状の奇妙なアトラクターstrange attractorsをもつLorenz方程式を磁場の影響を考慮して最小拡張した系であり,同じくカオス状のstrange attractorsをもつ。我々は磁場の影響を示す無次元数Qを変化させて、アトラクターのフラクタル次元を調べた。 倍精度で4次のRunge-Kutta公式を用いて,時間発展させ,次にチェビシェフ多項式を用いた4倍精度のスペクトル選点法を用いてLyapunov次元を計算した。
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