研究概要 |
本研究班は研究計画に基づき研究を実施し, 次のような成果を得た。 1.非線型発展系の応用解析 (i)MHD系の非有界な古典解の単独性をある漸近的条件の下に示した。(ii)合金に起こる相分離を記述する江口・沖・松村方程式系の数学的定式化を行い, その解の存在を示した。また安定性に関して解析した。(iii)液晶の成長に関連して現れる3階の常微分方程式の, 単調な解の非存在を示した。 2.社会現象で見られる複雑系システムの動向を、確率過程として捉え解析した。特に以下の問題について研究し, 成果を得た。 (i)離散状態をもつLindley Processの(時間的)可逆性 (ii)到着指定型の待ち行列に関する研究 3.非線型発展系の数値解析 (i)江口・沖・松村方程式系の1次元問題の数値シミュレーションを行い, 定数定常解の安定性の結果を得た。(ii)偏微分方程式の超高精度数値シミュレーションを行い, 並列計算による高速化をPVMを使用して実現する可能性を確かめることができた。 4.日本数学会, 日本応用数理学会を始めとする研究集会でその成果を発表した。エディンバラで開かれたICIAM99(応用数理世界大会), 第4回日中数値数学研究集会, DDM12等の国際会議で成果を発表した。 5.八海山セミナー研究集会を始め, 各種研究集会を企画し, 研究成果を発表するとともに, 新しい成果を得るための情報交換の場とした。
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