研究概要 |
非圧縮流体に関する以下の研究成果を得た。 2次元Navier-Stokes方程式をある仮定のもとでモデル化し、一次元常微分方程式に帰着させたよどみ点流れ問題の解に対し、Childress等は高Reynolds 数での有限時間内爆発を数値実験で示した。しかし問題の定式化と計算アルゴリズムの改良により、激しい境界層の発達はあるものの解の爆発はおこらない、という数値実験結果を示した。([1,2])水の波の問題で、渦度一定の重力波の分岐問題を扱った。この結果と過去に行った重力・表面張力波の分岐問題の結果とを合わせて、大域的分岐構造を調べることが目標である。本研究の成果は以下のとおりである。([3,4,5,6]) 1.渦度を変化させても、分岐構造の定性的な変化はないことがわかった。 2.対称波を考えたとき、モードnの分岐解として何種類の解が存在するかを数値的に予測した。これをn=1〜6について数値計算で確認した。 3.各々の分岐解の、流体内部の流れの様子がどうなっているかを具体的に示した。 4.我々のアルゴリズムでも非対称解を計算するプログラムを作成し、Zufiria('87)が求めた非対称な重力波(渦なし流)を確認すべく試みた。しかしZufiriaの数値計算に疑問を深める結果に終わった。これについては更に研究を続けていきたい。
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