研究分担者 |
河原田 秀夫 千葉大学, 工学部, 教授 (90010793)
桂田 祐史 明治大学, 理工学部, 講師 (80224484)
古橋 朗蔵 明治大学, 理工学部, 教授 (40061973)
今野 礼二 明治大学, 理工学部, 教授 (20061921)
森本 浩子 明治大学, 理工学部, 教授 (50061974)
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研究概要 |
応用諸分野における偏微分方程式の非線形問題を特に非凡な境界条件・接合条件に焦点を合わせて遂行することを目的とする本研究によって得られた主要な成果は次の通りである. 1. 摩擦型の境界条件の研究 領域の内部に於いてはストークス方程式に支配される粘性非圧縮流に境界条件として摩擦型の境界条件を課した非線形境界値問題が対象である.この問題の変分不等式による数学解析は1993年に代表者がコレジュ・ド・フランスにおいて行った連続講演により先鞭を着けられたのであったが,この度,連続の方程式を線形拘束とみなし,圧力がラグランジュ乗数関数の役割を果たす変分理論が完成した.また,その結果を用いて,宇沢算法型の反復法の適用可能性が一般的に証明され,収束性の解明にも顕著な進歩が見られた.また,数値実験は海濱に打ち寄せる波の挙動のような具体的な現象のモデルについても成功した. 2. 領域分割法の研究 領域の形状と収束の速さの関係を,1994年に提出された藤田の方法を用いて解明する研究が,代表者の指導のもとに若い協力者斉藤宣一が,ストークス方程式の場合について遂行した.そうして,inf-sup条件を通じて個別部分領域の特性も反映する結果が得られ,スカラー方程式の場合との対比において専門家の深い興味と高い評価が寄せられている. 3. 一般流束条件のもとでのナビエ・ストークス方程式の可解性の研究 しかるべき対称性のもとでの2次元流についての可解性を解のアプリオリ評価を構成的に示す課題が,代表者の創出したvirtual drainの方法を用いて解決された.その発展として強い対称性のもとではある3次元流れについての結果も導かれた.また,一般流束条件を課せられた内壁をともなう2次元無限管内の流れの解析が代表者と分担者森本浩子の協力により完成された.
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