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1998 年度 実績報告書

フラクタル上の確率モデルにおける等方性の回復

研究課題

研究課題/領域番号 09640298
研究機関立教大学

研究代表者

服部 哲弥  立教大学, 理学部, 助教授 (10180902)

研究分担者 山田 裕二  立教大学, 理学部, 助手 (40287917)
キーワード場の量子論 / 極限定理 / カイラルアノマリー / スケール変換 / 指数
研究概要

本研究の短期的な目的は,くりこみ力学系の軌道の大局的構造の追跡という観点からフラクタル上の種々の確率モデルの漸近的性質について研究を進めることであるが,最終的な目標は,数理物理学,特に場の量子論におけるくりこみ群の方法を念頭に置いて,確率モデルの漸近的性質の統一的な解析手段としてのくりこみ力学系と呼びうる方法の手がかりを見いだすことである.本年度発表に至った研究は以下の通りである.
(1) 場の量子論の特徴的な数理現象としてのカイラルアノマリーを導出した.カイラルアノマリーの仕事は数多くなされてきたが,格子場の量子論の連続極限として厳密に証明したのは世界で初めてである.
(2) Y.Kasaharaによるタウバー型定理を援用して独立確率変数列の重み付きの和のある漸近的性質を導き,これをゼータ関数の値分布の具体的評価に応用した.
以トの成果はくりこみ力学系の軌道追跡は直接行ってはいないが,それぞれ場の量子論固有の性質および確率変数列の和の漸近的性質に関するものとして,最終的な目標の重要な一部である.
フラクタル上の確率モデルのくりこみ力学系の軌道の追跡に関しては飛躍的な成果はない.3年前に国立大学から現在の立教大学に転職したが,4月より別の国立大学に転職するための手続きが進行している.国立大学と私立大学の間の移動であるとの理由によって,備品や書籍の新任地への携行が再び許されない.このために本年度は十分な研究環境整備を行うことができず,研究計画にも支障をきたしている.しかし,この機会にすぐには成果につながらない基礎的な例の検討を続けている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Hattori: "Mathematical derivation of chiral anomaly in lattice gauge・・・" Journal of Mathematical Physics. 39. 4449-4475 (1998)

  • [文献書誌] T.Hattori: "A limit theorem for Bohr-Jessen's probability measures of・・・" Journal fur die reine und angewandre Mathematik. (予定). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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