研究課題/領域番号 |
09640300
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
齋藤 公明 名城大学, 理工学部, 助教授 (90195983)
|
研究分担者 |
三町 祐子 名城大学, 理工学部, 講師 (00218629)
西 健次郎 名城大学, 理工学部, 講師 (30076616)
原 優 名城大学, 理工学部, 教授 (30023295)
松澤 忠人 名城大学, 理工学部, 教授 (20022618)
飛田 武幸 名城大学, 理工学部, 教授 (90022508)
|
キーワード | 無限次元確率解析 / ホワイトノイズ解析 / レヴィのラプラス作用素 / 無限次元確率過程 / ポアソンノイズ解析 |
研究概要 |
平成9年度および10年度と、「無限次元解析とその応用」なる題目にて、特に、ホワイトノイズを素子とした無限次元確率解析の研究に従事させて頂いた。研究分担者の研究との関連についても、研究集会、セミナー等を開き、議論し合った。この基盤研究を通じて、無限次元ラプラス作用素(特にレヴィのラプラス作用素)に関して、本質的な進展がみられた。自己共役作用素は、量子論において、大変基本的なものであり、欠くことは出来ない。今まで、レヴィのラプラス作用素は自己共役ではないとみられていたが、今回の研究において、ガウス型のホワイトノイズ超汎函数の空間で、適当なヒルベルト空間族を導入し、このラプラス作用素を自己共役作用素に拡張することに成功した。この成果は本質的なものであり、今後、これを基にして、レヴィのラプラス作用素の応用(特に、具体的な現象への応用)が進展することが期待され、既に、ナンバー作用素、無限次元Omstein-Uhlenbeck確率過程との関連も結果として得られた。また、レヴィのラプラス作用素をポアソン型の超汎函数の空間上で考えると、より、発展的な内容が示され、基になるヒルベルト空間は、数理ファイナンスに密接に関連することもわかっている。これらの成果は、飛田のホワイトノイズ解析の理論の発展でもあり、松沢の偏微分方程式の研究との関連も、逆に無限次元から有限次元をみることにより、結果が得られる。また、p-進ホワイトノイズ解析へのアナロジーも、この成果により、容易になった。西の研究する数理ファイナンスとの関連も、ポアソン型ホワイトノイズ解析において考察することにより、具体的な応用例が見い出される。三町の研究するエルゴード理論との関連については、このラプラス作用素が、エルゴード性によって特徴付けられることが挙げられる。この成果を通じて、研究分担者との相互交流にも役立ったと思われる。
|