研究概要 |
シンプレクティック数値解法に直接関係する研究としては無限自由度のHamilton系と考えられる非線形Schrodinger方程式を含む一連の偏微分方程式に対する(mixed variable) symplectic解法を開発した.1次の解法は「split-step擬Fourier法」として知られる既知のものである.高次の陽的解法も簡単に構成でき高速で高精度の数値計算を可能にしている. またシンプレクティック数値解法には直接関係は無いが,以下の種々の結果を得た. 1)微分ガロア理論によるハミルトン系の積分可能性の新しい必要条件を得,経験的な特異点解析の有効性を初めて正当化した. 2)平面における滑らかな写像群において,ホモクリニック点とヘテロクリニック点の出現の順序に対する一般的な規則を見いだした. 3)標準写像におけるKAM曲線の滑らかさについて,マルチフラクタルの考察から新たな知見を得た.
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