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1998 年度 実績報告書

銀河進化の遷移過程

研究課題

研究課題/領域番号 09640311
研究機関東京大学

研究代表者

有本 信雄  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60242096)

キーワード銀河の進化 / 銀河の形成 / 進化遷移 / 星の種族 / 楕円銀河 / 化学進化 / 遠赤外 / ダスト
研究概要

最終年度にあたる本年は前年度に引続き銀河進化における遷移過程が宇宙のどの時期に起こったかを探り、以下のような知見を得た。
遷移過程の起こる前の楕円銀河では大規模な星生成が起きているはずである。
その時、銀河は多量のガスとダストを含む。従って、銀河のスペクトルには星から寄与以外にダストによる吸収と再放射の影響が顕著に現れるはずである。この様な考察に基づき、形成初期の原始銀河のスペクトル進化を調べ、銀河の形成の時期を決定するために、星とダストとからなる系のスペクトル進化モデルを新たに構築した。このモデルにおいてはダストの空間分布を考慮し、輻射輸達を数値的に解いて銀河の紫外域から遠赤外域、サブミリ波にいたるスペクトル進化を計算することができる。このモデルを用いて、近傍のスターバースト銀河のスペクトルを解析し、これらの銀河の星の平均の年齢とダストによる吸収量を分離して求めることに成功した。近傍のスターバースト銀河の物理状態は原始銀河に非常に良く似ていると考えられる。従って、赤方偏移が4以上の宇宙論的距離にある銀河のスペクトルを分析してその年齢を求め、銀河形成の時期を決定する方法を確立したと考えている。
楕円銀河においては水素の吸収線が非常に強いことが多い。これはA型の星を大量に含むためであると考えられて来たが、そのように多量の比較的若い星を含む場合には銀河の色も青くなるはずである。銀河の吸収線強度と色とを同時に再現するという制限をつて、比較的若い星の寄与が高々数%であることを明らかにした。
つまり、楕円銀河は昨年度の研究で明らかにしたように、古い星でできている。
これは進化の遷移過程がz=4よりも昔であったことを強く示唆する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Kodama,N.Arimoto: "Secondary episode of star formation in elliptical galaxies" Monthly Natice of Royal Astronomical Society. 300. 193-199 (1998)

  • [文献書誌] T.Murayama,N.Arimoto他: "Near Infrared Spectro scopy of the High z Quasar S4 0636+68 at Z=3、" Astronomical Journal. 115. 2237-2243 (1998)

  • [文献書誌] T.Kodama,N.Arimoto他: "Evolution of Colour-magnitude Relation of early type galaxies in distant clusters" Astronomy and Astrophysics. 334. 99-109 (1998)

  • [文献書誌] C.Ikuta,N.Arimoto他: "Why Can We detect Quasar BR 1202-0725 in CO?" P.A.S.J.49. 647-651 (1998)

  • [文献書誌] I.Tanaka,N.Arimoto他: "Clustering of red galaxies rean the Radio-loud Quasar B35.8+2834 at Z=1.1" Astroplupical Journal. 487. L125-L129 (1997)

  • [文献書誌] Y.Taniguchi,N.Arimoto他: "The most distant 〔0III〕 amitting Quasar PKS 1937-101 at Z=3、8" P.A.S.J.49. 419-424 (1997)

  • [文献書誌] A.Vazdekls,N.Arimoto: "A Pobust Age Indicator for old stellar Populations" Astrophysicel Journal. (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] N.Arimoto他: "Age and Dust Degeneracy for Star burit golassies Solved?" Astroplupical Journal. (印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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