1.暗黒雲Barnard1の中心領域をCSOの20素子ボロメータアレイカメラSHARCを用いて波長350mumのダスト連続波で観測し、3つのコンパクト(FWHM〜12")なサブミリ波源を検出した。 原始星は、もっとも強度の弱いサブミリ波源に付随している。しかしながら、350μmのピーク位置は、UKIRTIRCAM3で撮影した近赤外のイメージおよびNMAによるCO分子流マップから推定される原始星の位置とは一致していない。サブミリ波源の強度が比較的弱いこと、CO分子流がサブミリ波源を避けるような分布をしていること、分子流とサブミリ波源との境界で衝撃波のトレーサーであるSiO分子輝線が観測されていることなどから、ここでは原始星からの分子流による高密度コアの散逸が進んでいるものと考えられる。 IRAS点源の約1'東には、2つのサブミリ波源が南北に約20"離れて並んでいる。これらはIRAS点源や分子流などの星形成の徴候を伴っておらず、Class0以前のpre-prottostellarコア段階にある可能性が高い。2つのサブミリ波源の質量(0.3-0.5M【of sun】)、平均密度(2-3×106cm3)および350μmフラックスの動径分布から、これらがClass0原始星のエンベロープにきわめて類似した特徴を持っていることが明らかになった。 2.Class0原始星L723IRSに付随するCO分子流および高密度CSコアの観測結果を解析し、四重極構造を持つ分子流が単一の原始星によって駆動されている可能性が高いこと、分子流の四重極構造はopening angleの広い(120°-170°)双極分子流を真横から見ているために現れるものであること、広いopening angleは分子流とその軸上にある高密度ガスクランプとの相互作用によって生じたものであること、などが明らかになった。
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