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1997 年度 実績報告書

星間塵上におけるHCN及びHNCの生成機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640316
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨大学

研究代表者

平岡 賢三  山梨大学, 工学部, 教授 (80107218)

研究分担者 佐藤 哲也  山梨大学, 工学部, 助手 (60252011)
キーワードシアン化水素 / イソシアン化水素 / 星間塵
研究概要

イソシアン化水素HNCの生成熱は、シアン化水素HCNに比べて15kcal/molほど大きい。従って、HNCとHCNが宇宙において熱力学的平衡状態にあるとすれば、両者の存在比は、例えば100Kにおいて、[HNC]/[HCN]=10^<-33>と予想される。しかし、観測結果は熱力学的な予想値よりも遙かに大きく、濃度比[HNC]/[HCN]は0.01〜4.4の範囲にわたることが分かっている。宇宙におけるHCN及びHNCの生成機構に関しては、(a)プロトン化した化学種HCNH^+と電子との再結合反応による生成、(b)C^+とNH_3との反応によりCNH_2^+が生成し、これが電子と再結合して選択的にHNCが生成する、という説があるが、これらは未だ検証されていない。
本研究は、星間塵を反応場とする固相反応も含めて、HCN及びHNCの生成機構を実験的に検証することを目的とする。今年度は、固相反応によるHNC,HCN生成機構を検証することを目的として、ラジカル・表面反応/フーリエ変換赤外分光測定装置の製作を完了した。即ち、10^<-10>Torrまで排気可能な超高真空排気装置に、極低温冷凍機、ラジカル発生装置、四重極質量分析計、フーリエ変換赤外分光装置を取り付けた。シリコン基板からなる試料蒸着板に、N_2及びCO混合ガスを放電分解し活性種を蒸着した。この固体状活性種を水素原子と反応させ、生成物の昇温脱離質量スペクトルを測定したところ、HCN、HNC及び(CN)_2が生成していることが分かった。しかし、HNC及びHCNの脱離温度に差がなく、両者の定量が困難であることが分かった。そこで、現在フーリエ変換赤外分光法を用いて、吸収スペクトルの相違を利用してHCN,HNCの定性・定量分析を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Hiraoka, S.Fujimaki: "Gas-phase thermochemical staibities of cluster ions [(N_2)m(Ar)n]^+" Journal of Chemical Physics. 107. 2550-2556 (1997)

  • [文献書誌] K.Hiraoka, J.Katsuragawa: "Thermochemistry and structure of the cluster ions CH_3^+(CO)n and SiH_3^+(CO)n" Chemical Physis Letters. 271. 302-310 (1997)

  • [文献書誌] K.Hiraoka, F.Matsushita: "Enhancemint of ion evaporation by the CO_2 laser irradiatioro on the electropprey" International Journel of Mass Speetrometry and Ion Proesson. 162. 35-44 (1997)

  • [文献書誌] T.Sato, A.Shimiza, K.Hiraokal: "Secondary Ion Produced by low energy impact of He^+ ions" Rapid Communicatuins in Mrss spectrometry. 11. 1139-1143 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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