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1997 年度 実績報告書

星形成における自己組織化と分子雲の内部構造

研究課題

研究課題/領域番号 09640318
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

花輪 智幸  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50172953)

キーワード星形成 / 自己組織化 / 数値シミュレーション / 自己重力 / 回転 / 連星
研究概要

分子ガスの塊である分子雲コアが自己重力によって収縮することによって星は形成される。形成された星は高い確率で伴星をもつことから、重力収縮の途中で分子雲コアは分裂していると期待される。分裂のメカニズムを明らかにするために、数値シミュレーションによって分子雲コアの重力収縮の物理を調べるのが本課題の主題である。今年度は、数値シミュレーションにより以下のような結果を得た。
1.等温の分子雲コアの重力収縮
温度が一定に保たれている場合の分子雲コアの収縮は3種類に分類される。(1)回転や歪みがない場合:分子雲コアは球対称のまま収縮し、中心に単一の星が形成される。(2)回転がある場合:重力収縮に伴って回転速度が上昇し、遠心力によってコアは円盤状に変形する。最後には円盤の中心に単一の星が形成される。(3)速度に歪みがある場合:重力収縮が進むにつれ、コアは円盤状あるいは棒状に変形する。棒状のコアは分裂しやすいので、複数の星か形成され易いと予想される。以上の結果から、速度歪みが複数の星(連星系)の形成に重要な役割を果たすと考えられる。
2.重力収縮に温度が変化する分子雲コアの重力収縮
ガスの温度が密度とともにわずかに増大する場合とわずかに減少する場では、その重力収縮の様子が異なる。温度が上昇する場合には、密度が4-5桁上昇した時点で遠心力が効いて重力収縮が1度止まる。これに対して温度がわずかに減少する場合は、重力収縮は10桁以上密度が増大しても止まらず、分子雲コアは幾何学的にとても薄い円盤となる。わずかな温度差でも、収縮の様子が大きく異なることが分かった。現実的には等温に近いので、星形成はわずかな変化に敏感であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] F.Nakamura: "Non-axisymmetric Evolution of Dynamically Contracting Disks and Its Implication for Binary Formation" Astrophys.J.480・1. 701-704 (1997)

  • [文献書誌] T.Hanawa: "Stability of Similarity Solutions for a Gravitationally Contracting Sphere:Convergence to the Larson-Penston Solution" Astrophys.J.484・1. 238-244 (1997)

  • [文献書誌] K.Saigo: "Similarity Solution for Formation of A Circumstellar Disk through the Collapse of A Flattened Rotating Cloud" Astrophys.J.493・2. 342-350 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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