研究課題/領域番号 |
09640328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
千葉 柾司 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助教授 (50217246)
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研究分担者 |
郷田 直輝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202073)
宮本 昌典 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 教授 (30012850)
祖父江 義明 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10022667)
吉井 譲 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00158388)
土佐 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022728)
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キーワード | 銀河天文学 / ヒッパルコス / 銀河構造 / 銀河進化 / 宇宙論 |
研究概要 |
世界初の位置天文衛星ヒッパルコスは、全天約12万個星の精密な位置天文観測を行ない、位置天文学、恒星進化、銀河構造と進化、さらに宇宙論といった広範な分野に重要な結果をもたらした。このような世界の動きに遅れを取ることなく、本研究では以下のような成果が得られた。(1)太陽近傍星の系統的な運動を解析した結果、これまで使用されてきた標準的な銀河系回転速度が、より大きな値に改訂されなければならない可能性が見い出された。(2)RR Lyr型変光星の絶対等級を、三角視差ならびに統計視差を用いて解析したところ、これまで提唱されてきた値と基本的に同じであることがわかった。従って、球状星団の年齢は依然標準宇宙モデルによる宇宙年齢と食い違うことになる。ただしこの結果は、準矮星のデータに基づいた球状星団の年齢評価の結果と矛盾するものであり、今後の重要検討課題となった。(3)金属欠乏星の運動を解析することにより、銀河系ハロ-の初期状態について検討した。そして、個々の星の金属量と軌道離心率との間に何ら相関が見られないことから、銀河系ハロ-はゆっくりとした収縮過程によって形成されたものと結論づけられた。(4)銀河系の厚い円盤成分の動力学構造について、新たな知見を得ることができた。その他、ヒッパルコス衛星のデータに基づいた様々な研究結果が得られた。そして、本科学研究費補助金の下に研究会を開催し、これまでの成果の報告、ならびに今後の研究計画に関して多く議論する機会が得られた。
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