1. E_6型ゲージ対称性をもつ4次元N=2超対称QCDにおいて、ハイバー多重項が有質量の場合の低エネルギー有効理論を記述するSeiberg-Witten幾何を、球面上のALEファイブレーションとして決定した。さらに、E_6ゲージ対称性をHiggs効果によってSU(6)、およびSO(10)対称性へ破ることにより、SU型ゲージ群の反対称表現やSO型ゲージ群のスピノル表現に属するN=2ハイパー多重項と結合するN=2超対称ゲージ理論のSeiberg-Witten幾何を与える方程式を導いた。 2. ADE型ゲージ対称性をもつ4次元N=2超対称ゲージ理論のプレポテンシャルがWDVV方程式を満たすことの簡潔な証明を与えた。このことから、4次元におけるWDVV方程式は、2次元位相的場の理論におけるカイラル環の結合則に由来することが明らかとなった。また、この理論の低エネルギー有効作用の量子モジュライ空間の原点近傍のふるまいが、2次元位相的ストリング理論の相関関数の無限和によって表されることを見いだした。 3. ゼロ質量のクォーク自由度が入ったN=2SU(2)超対称ゲージ理論をツイストして得られる位相的ゲージ理論の経路積分測度を解析し、4次元多様体についてのDonaldson-Witten不変量の一般化を試みた。K3曲面の場合は、得られた不変量は一般単純型と分類されるものと類似の性質をもつ。さらに、この結果より得られるSeiberg-Witten モノポール方程式の多成分版についても解析を行い、消滅定理を示すことができた。
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