研究課題/領域番号 |
09640338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大西 直殻 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30016068)
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研究分担者 |
田嶋 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (50212030)
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キーワード | signature inversion / 角運動量射影 / Wobbling mode / Hill-Wheeler方程式 / Generator Coordinate Methed |
研究概要 |
^<180>Wおよび^<182>OsにおけるK^π=8^+バンドに見られるsignarure inversionは、g-bandがs-bandと交差したのちに、g-bandより強いs-bandとのバンド結合によって起こると考えるに至った。このような3バンド交差は^<182>Wや^<184>OsのK^π=10^+バンドにも見られる。3バンド交差のモデルを、wobblingの運動モードを生成座標として、結合を取り入れる。角運動量射影をしないでHill-Wheeler方程式を解くと、解が安定して得られないので、その不安定さを調べる一方、角運動量射影した波動関数で、Hill-Wheeler方程式を解くことを進めている。 角運動量射影は内部波動関数のsignatureが保存されていないので、積分領域の対称性がなく、3つのEuler角についての全領域で、精度良く積分を行わなければならず、また、重なり積分の位相の決定という厄介な問題があり、細心の注意が必要であるが、各積分点での高階の微分を解析的に求める公式を作り、微分も使った3次元多様体の内挿公式で、積分点を増やし数値積分の精度を上げている。Hill-Wheeler方程式を求める際のノルムの固有値が全て正になるまで、積分の精度を高めることを目標にしている。 現在、数値計算に問題のない範囲で、角運動量を射影し、Signatureと角運動量の偶奇性について調べた。回転軸が変形主軸と一致する場合signatureが保存するが、この状態は一般に偶角運動量状態のみと思われていたが、わずかに奇角運動量状態が混ざっていることが確かめられた。結局、wobblingの角度が大きくなると、signatureによる、角運動量の偶奇を分けることができないので、角運動量射影が必要なことが判明した。
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