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1998 年度 実績報告書

ゲージ場の量子論の手法の研究とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 09640339
研究機関東京大学

研究代表者

藤川 和男  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30013436)

キーワードゲージ理論 / BRST対称性 / 揺動散逸定理 / トンネル効果 / カイラル対称性
研究概要

超対称性を持つゲージ理論の量子論に係わる基本的な問題をまず考察した。具体的には、Lorentz共変に量子化した場合には、一般にゲージ固定により超対称性が破れることになる。このことは、超対称性の代数関係が変更を受けることを示している。他方、超対称性の応用においては、その代数関係とくにその中心拡大が重要になる。従って、量子化に伴うゲージ固定による人為的な対称性の破れを、物理的に意味のある量の中で如何に明確に分離するかという問題が重要になる。われわれは、いわゆるBRST対称性を使った定式化では、この問題は非常に明確に定式化できることを示した。
また場の理論的な手法の応用として、揺動散逸定理をいわゆる南部Goldstone定理と類似の理解から定式化すると、何が言えるかの研究を行った。とくに、揺動散逸定理と分散関係を組み合わせることにより、摩擦の有る巨視的な系における量子トンネル効果の定式化を、模型に依存しない一般的な形で与えた。この形式は有限温度でも成立する事を示し、さらには揺動散逸定理のフェルミ的な摩擦とか揺動の場合への一般化を議論した。これらの公式の応用は今後に残された課題である。
さらに、最近、ゲージ理論の格子上での定式化において、フェルミ粒子とくにそのカイラルな性質の取り扱いで大きな進歩が見られたが、この格子ゲージ理論の発展と著者が過去に提案していた連続理論でのカイラル対称性の扱いの関係を明確にした。適切な定式化を行えば、連続理論と格子理論がほとんど同等に扱うことができることがわかり、この問題は現在も急速に発展している興味のある分野である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Fujikawa,: "BRST gaugc fixing anol the algcbrc of global supersymmetry" Nucleor Physics B. B521・2. 401-415 (1998)

  • [文献書誌] K.Fujikawa: "Fluctuation-diseipation theorem and quantum tunneling with diesipation" Physical Review E. E57・5. 5023-5029 (1998)

  • [文献書誌] K.Fujikawa: "Fluctuation-diseipation theorem and quantum tunneling with diesipotion at finite temprature" Physical Review E. E58・6. 7063-7070 (1998)

  • [文献書誌] K.Fujikawa: "Comment on anomaly matching in N=1 supersymmetlric QCD" Progress of thesrctical physics. 101・1. 161-170 (1999)

  • [文献書誌] K.Fujikawa: "A continium limit of the chiril Jacolian in lattics gangc theory" Nuclear Physics B. (in press).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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