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1998 年度 実績報告書

標準模型の有限温度での振る舞いについて

研究課題

研究課題/領域番号 09640342
研究機関横浜国立大学

研究代表者

佐々木 賢  横浜国立大学, 工学部, 教授 (00114976)

キーワードクォークとグルオン / 量子色力学 / 有限温度 / 熱ベータ関数 / ゲージ不変 / 自己エネルギー / 構造関数 / スピン
研究概要

高温高密度では、ハドロンを構成しているクォークは束縛から解放されクォーク・グルオン・プラズマ状態になる。本研究は、有効伝搬関数と有効頂点関数を用いて、ゲージ不変なクォークとグルオンの有効自己エネルギー及び有効n点関数を求め、さらにその情報からクォーク・グルオン・プラズマ状態についての現象論的予言をすることである。成果として、ピンチテクニックの処方を使って1ループのレベルで有限温度でのゲージ不変なグルオンの有効自己エネルギー(2点関数)を求めるのに初めて成功した。得られた表式は少々複雑であるが、それは、ゲージ不変であるだけでなく、独立な成分が2成分だけであるといういわゆる「トランスヴァーサリティ」関係式を満たすことがわかった。また得られた有効2点関数からグルオンの減少率を計算すると、以前別の方法で求められていた結果と一致した。これらの成功は、ピンチテクニックの処方を用いたゲージ不変なクォークとグルオンの有効n点関数の導出法の有用性を示唆している。
また、クォークとグルオンの力学を記述するQCD理論を用いて核子や光子のスピン構造を調べた。特に、核子については、そのスピン構造関数のひとつ、g_2は、カラーの自由度、N^C→∞の極限では、簡単なQ^2-発展方程式に従うこと;さらに、光子については、光子の中のクォークとグルオンのスピン分布関数が摂動の2次のオーダーまでパラメータなしで予言できることなどが示せた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ken Sasaki: "Gauge-independent resummed gluon self-energy in hot QCD" Nuclear Physics B. 490. 472-504 (1997)

  • [文献書誌] Ken Sasaki: "Gauge-independent resummed gluon self-energy in hot QCD" Progress of Theoretical Physics Supplement. 129. 125-132 (1997)

  • [文献書誌] Ken Sasaki: "Spin structure function g_2(x,Q^2)and twist-3 operators in large-Nc QCD" Physical Review D. 58. 094007-1-094007-6 (1998)

  • [文献書誌] Ken Sasaki: "Spin Structure Function of the Virtual Photon Beyond the Leading Order in QCD" Physical Review D. (掲載予定).

  • [文献書誌] Jiro Kodaira: "Proceedings of the International Symposium on QCD Corrections and New Physics" World Scientific, 243 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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