自然界の4つの基本的な相互作用、強・弱・電磁及び重力の相互作用と全ての素粒子を統一して記述する統一理論の候補として、超弦理論は非摂動的に再構成する研究が大きく進展してきた。実際、これまで5種類の異なるモデルに見えたものが一つにまとめることが出来、さらに背後に単一のM理論が存在するらしいことが明らかとなってきた。またD膜というソリトン的励起が弦のダイナミクスを調べる上で重要な役割を果たす事が分かった。弦の非摂動的定式化として、これまで第1量子化のレベルで主として行われていた。二宮はHolger B.Nielsen(デンマーク、ニールスボーア研究所教授)と共に第2量子化を遂行し、弦の場の理論を構成する研究を行ってきた。我々の方法の特徴は弦の座標のright movingモードとleft movingモードを基本要素に用い、波動関数を構成することにある。我々はこのモデルが弦を構成するために要請される対称性として、要素であるモードがボース統計に対応する対称性が必要であることを見出した。この対称性を用いて、具体的にleftとright movingモードから状態を構成した。これから更に散乱振巾を計算し、それが双対性を満足するかどうかをチェックすることは次のステップとして計画される。 この弦の場の理論を発展させる際、通常の光錐座標系を用いないで理論を検討し、その過程においてボソン場の理論における負エネルギーモードを取り扱う新しい方法を見出した。我々のこの方法によってボソンとフェルミオンの第2量子化は同等の方法、つまり負エネルギー粒子の海いわゆるDirac seaの方法によって行うことが出来ることを示した。これにより、場の理論に関し、新しい知見を得ることが出来た。
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