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1998 年度 実績報告書

銀河のハローは何から出来ているのか?

研究課題

研究課題/領域番号 09640351
研究機関京都大学

研究代表者

中村 卓史  京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80155837)

キーワードマイクロ重力レンズ / ブラックホール / ダークマター / 重力波
研究概要

もしMACHOの存在が2世代目のマイクロ重力レンズの観測(口径2メートル程度の専用望遠鏡)で確められれば、ブラックホールの可能性しか考えにくいということが分った。さてマッチョが太陽質量の半分程度のブラックホールだとしたら如何にしてそれを確認するのだろうか? ブラックホールはまったく光を放出しないから光による観測をいくらしても確認不可能であろう。それでは永遠にマッチョの正体は謎として残るのであろうか?
ところがそれが重力波を使えばできることがわかった。温度が〜1GeV、時間にして宇宙が始まってから10万分の1秒の時に大量の太陽質量の半分程度のブラックホールができた。しかし、この中のいくつかは3体相互作用で連星ブラックホール(2重星のブラックホール)になるのである。連星ブラックホールは重力波を放出して合体する。そこで宇宙初期に出来て、現在合体する連星ブラックホールはどのぐらいの割合かというとわれわれの銀河のハロー中で1年間に0.05個程度ということを本科研費で詳しく見積もった。わが国ではTAMA計画という300m x 300mの干渉計が国立天文台で1999年4月から稼働を始め、運よく連星ブラックホールの合体が我々のハロー中で起きれば、その重力波を1999年度から2000年頃に検出するであろう。
もしマッチョがブラックホールなら、重力波検出器はハローのダークマターが何であるかという現代宇宙物理学の最大の謎を解くことになるかもしれない。また重力波は宇宙の最初の10万分の1秒に何が起こったかを明らかにしてくれるかもしれないのである。これが本科研費で判明した成果である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Nakamura et al: "Gravitational Waues from Coalescing BHMACHO" Astropluys J.Letters. 487. C139-C142 (1997)

  • [文献書誌] T.Nakamura & R.Nishi: "Expected EAGLE eveuto rate・・・" Proy.T.heor.Phys. 99. 963-973 (1998)

  • [文献書誌] Fujita et al: "Emission from Isolated Black Holes・・・" Astrophys,J.Letters. 495. L85-L89 (1998)

  • [文献書誌] Ioka et al: "Black Hole Binay Formation in the expanding Universe" Phys.Rev. D58. 063003 (1998)

  • [文献書誌] T.Makamura: "Black Hole MACHO and Its Identification" Phys.Reports. 307. 181-190 (1998)

  • [文献書誌] T.Nakamura and T.Chiba: "Determiny the Equation of State of Univers" Mon.Not.R ostr Soci. (in press).

  • [文献書誌] 中村卓史: "最後の3分間" 岩波書店, 1-98 (1997)

  • [文献書誌] 中村卓史 他: "重力波をとらえる-存在の証明から検出へ-" 京都大学学術出版会, 1-417 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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