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1998 年度 実績報告書

超弦理論のソリトンのDynamicsと弦理論のDuality

研究課題

研究課題/領域番号 09640352
研究機関東京大学

研究代表者

松尾 泰  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50202320)

キーワード超弦理論 / Dブレイン / ヤンミルズ理論 / 可解系 / Virasoro代数 / Calogero-Sutherland模型 / 第2量子化 / Hilbert scheme
研究概要

超弦理論のソリトン励起は一般的にはp次元的に広がっており、その力学的性質はp+1次元の時空上で定義されたヤン・ミルズ理論で定義される。この記述法ではソリトンがN個ある場合には対応するヤン・ミルズ場のゲージ対称性はU(N)という群で定義される。弦理論の非摂動的性質を調べる事はこのヤン・ミルズ理論の非摂動的性質を調べることに他ならない。
さて、一旦U(N)にゲージ群を固定してしまうとソリトンの個数はNに固定されてしまうためソリトン自体の生成消滅を議論することが非常に困難になる。これはいわゆる第二量子化の問題であるが、現在までのところ納得いく形では定式化できなかった。
本研究では数学のほうで研究が進んでいるHilbert schemeのアイディアを用いると、ソリトンの力学のトポロジカルな部分については量子化可能であることを発見した。つまり第二量子化された位相空間のトポロジカルに非自明なサイクルの分類が場の量子論の作用素で記述されることを示した。また、場の量子論に自然に表れる無限次元の対称性の生成子であるVirasoro代数の演算子がケミカルポテンシャルのパララメータの書き換えを記述することを議論した。
さらにこの理論の分配関数の計算において低次元可解系に現れる、Calogero-Sutherland模型の固有関数が自然に現れることを議論した。
これらの関数系はVirasoro代数やW代数と言った低次元可解系に現れる対称性の表現論で重要な役割を果たすことは良く知られており、弦理論のソリトンがこれらの対称性によってうまく記述できることを示唆するものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松尾 泰: "Matrix Theory,Hilbert scheme and Integrable system" Modern Physics Letter. A13. 2731-2742 (1998)

  • [文献書誌] 江沢 潔: "Matrix theory for Dirichlet string" Physics Letter. B439. 29-36 (1998)

  • [文献書誌] 松尾 泰: "BPS condition of String Junction from M-theory" Physics Letter. B426. 294-296 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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