研究課題/領域番号 |
09640353
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
窪田 高弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80161678)
|
研究分担者 |
中津 了勇 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10281502)
田中 実 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70273729)
|
キーワード | two Higgs doublet model / 輻射補正 / screening theorem / supergravity / multi Higgs doublet model / M-theory / D-brane / 超対称性 |
研究概要 |
1997年にまとめ上げた研究のうちで一つの成果と考えているものは、Higgs粒子のgauge粒子対への崩壊過程に対する輻射補正を完成させたことである。モデルとしてはtwo Higgs doublet modelを取り上げ、その崩壊確率が、荷電Higgs粒子やCP-odd Higgs粒子の質量にどのように依存しているかを数値的に調べた。その際、購入したパソコンが大いに役に立った。我々の計算は、定性的には、輻射補正においては重い未知の粒子の効果は探りにくいということを示すもので、screening theoremの一般化と見なすことができる。この計算は次ぎにgauge粒子の散乱過程を調べる際に役に立つものと考えている。 今年度のもう一つの研究成果は、bottom quarkの崩壊、b→sl^+l^-、b→sννというプロセスをminimal supergravity model及びmulti Higgs doublet modelで調べたことである。supergravity modelの場合b→sl^+l^-の分岐比は最大50%ほど標準模型よりも大きくなること、b→sννについては10%程度であることを見出した。またmulti Higgs doublet modelでは、b→sl^+l^-の分岐比ならびに前方後方の非対称性の度合が、標準模型の数倍になり得ることが分かった。 N=2の超対称性を持ったQCDの研究も進められた。M-理論の立場から、いわゆるs-ruleの理解を深め、baryonic及びnon-baryonicのM-理論的な正確な記述方法を提出した。また、D5-braneの第二量子化の枠組みもひとつのやり方の考察を深めた。また、R^7×(Taub-NUTspace)という空間内でのM-fiveraneの配位を調べ、NS-fivebraneとD sixbraneから成る場合、及びNS fivebrane、D sixbrane、D fourbraneから成る場合の二通りがあることを指摘した。
|