研究課題/領域番号 |
09640357
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
|
研究分担者 |
高久 圭二 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30263338)
佐藤 健次 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (60013421)
|
キーワード | 直流電流モニター / 超電等 / 磁気遮蔽 / 超電受量子干渉素子 |
研究概要 |
高分解能非破壊型微弱電流測定装置に使用されるトロイダルコアー及び超電導磁気遮蔽として、二段同軸型と五段リング型のモデルを平成9年度に製作し、遮蔽効果を実測した。その結果、二段同軸型キャビーティーではほぼ計算シュミレーションで予測された10^<-13>の磁気遮蔽率が得られた。一方、リング型キャビーティーでは、約10^<-8>の遮蔽率が得られた。この値は、計算シュミレーションでの予測値に比較して約10倍悪い。同軸型の方が良い遮蔽が出来ることがわかったが、実機に採用するにはビーム軸方向に長いスペースが必要であり、構造上困難と判断した。 平成10年度には、以上の測定結果に基づき、七段リング型磁気遮蔽キャビティーの実機を製作した。超電導材料としては、加工性を考慮して鉛を採用したが強度と重量との両立から厚さは3mmとした。磁気遮蔽キャビテイー全体は5mm厚のFRPのケースに収納されている。ビームのための開口、クライオスタット内の熱遮蔽のため、磁気遮蔽キャビティーに設けられるギャップの内直径は238mmとなった。モデルによるテストの結果、磁気遮蔽率はギャップの内直径と外直径の比で決まることが分かっているので、外直径を472mmとした。ギャップとコアの幅は各々0.5mm、43mmとした。 今回製作した実機はモデルと比べてインダクタンスが約2倍ある。検出コイルと超電導量子干渉素子(SQUID)と接続した磁束ロック回路との結合を良くするため、巻き数比が72:14のトランスを挿入した。標準電流源を用いた実機でのテストの結果、10nAの直流電流を1-2nAの感度で測定できた。今後は、加速器からのビーム強度の測定を予定している。
|