研究概要 |
大阪大学核物理研究センターでは西播磨SPring8での8GeV電子ビームと強力紫外レーザー光(4〜6eV)との後方コンプトン衝突で得られる2〜4GeVの偏極光子ビームを用い、原子核構造を核子多体系の描像から一歩踏み込み、より基本要素であるクォーク・グル-オン多体系の立場から研究するクォーク核物理プロジェクトを推進中である。 本研究はこのプロジェクトの最大の特徴であるGeV光子ビームの調整のために欠くことができないビームプロファイルモニターを開発することを目的とする。 ビームプロファイルモニターに要求される位置分解能は約150μm(半値幅)である。100μmピッチのシリコン・ストリップ検出器(SSD)を使うことによりその要求を満たす。 本年度は読みだしストリップ数128chで厚さがそれぞれ100μm,300μm,500μmのSSD検出器に核物理研究センターの陽子ビーム及び^<90>Sγ線源からの電子線を照射し性能評価を行なった。その結果300μmの厚さのSSDが最もビームプロファイルモニターに適していることが判明した。 また、SDD検出器読みだし用及びコントロール用のリピーターカードを開発した。このカードを使うことによりSSD検出器の動作パラメータ設定と読みだしパラメータ設定がコンピュータで制御可能になり、操作性が大幅に改善された。
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