研究課題
大阪大学核物理研究センターでは国内の諸大学・研究機関と協同してレーザー光と西播磨SPring-8施設での電子ビームの衝突から得られる2〜4GeVの光子ビームを発生させ、それを用いてクォーク核物理の研究を行なうプロジェクトを推進している。本研究ではGeV光子ビームの調整のために必要なビームプロファイルモニターを開発することを目的とする。平成10年度はまず平成9年度に行なった試作品によるシリコン・ストリップ検出器のビームテスト(SSD)の結果を基に、厚さ300μ、100μピッチ読みだし数512チャンネルのSSDの設計を行なった。同SSDは平成10年度施設整備費で製作した。ついで512チャンネルを高速にシリアル読みだしするために読みだしチップコントロール用リピーターカードの改造を行なった。特に長期間安定にSSDを動作させるためには読みだしチップへの電力供給ラインに過電流が流れることを防ぐ保護回路を追加することが重要であることがわかった。本研究で開発したビームプロファイルモニターは平成11年5月がらSPring-8で実際に使用される予定である。