研究課題/領域番号 |
09640365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
吉井 尚 愛媛大学, 理学部, 教授 (00036360)
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研究分担者 |
水本 好彦 国立天文台, 教授 (20219653)
江沢 康生 愛媛大学, 理学部, 教授 (30036371)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 超高エネルギー / 宇宙線 / エネルギースペクトル / 核組成 / 空気シャワー |
研究概要 |
チャカルタヤ山宇宙線観測所において100TeV以上の空気シャワーを観測している既存の空気シャワーアレイの一部を10TeV以上の空気シャワーを観測できるように改良した。この10TeV以上の空気シャワーを精度良く観測するためには空気シャワー中の粒子数密度の横分布を精度良く測定する必要があるので、空気シャワーの中心から距離10〜30mのところに21台の検出器を今回増設した。これにより空気シャワーの中心から距離10〜30mでの空気シャワー中の粒子数密度の横分布が精度良く求められるようになった。このため、この空気シャワーのコアの位置が2mの精度で決まり、親粒子である一次宇宙線のエネルギーが10TeVで30%の精度で決まる。また、その宇宙線の到来方向も100TeVで1度で決まることが確かめられた。 このようなエネルギーの高い宇宙線は我々の地球に等方向から入射している。したがって、頻度の同じ現象は同じエネルギーの宇宙線を観ていることになる。一方、大きい天頂角で入射した空気シャワーは厚い空気の層を通過しているので、その天頂角で入射したシャワーの観測される総荷電粒子数はその空気の厚さに対応して減少している。しかし、その宇宙線の到来頻度はこの天頂角に依存しないので、天頂角毎のエネルギースペクトルにおける等頻度での総荷電粒子数を求めれば、その頻度に対応する宇宙線のエネルギーでの縦方向発達曲線が得られる。 この原理を使って、観測されたデータ解析から得られた情報を使って空気シャワーの縦方向発達曲線を求め、いろいろな一次宇宙線の核組成を仮定した空気シャワーの縦方向発達のシミュレーションで得られる曲線と比較する。そして、仮定したどの曲線が、観測結果を良く表しているかが求められる。このようにして、平均の核組成を求めることができる。今回の観測では約50TeVのシャワーの平均核組成を求めることができ、JACEEグループ等の結果と比較することにより、空気シャワー観測の有効性が実証できる。
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