研究課題/領域番号 |
09640368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
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研究分担者 |
吉田 篤正 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 先任研究員 (80240274)
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30221500)
高岸 邦夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (80041060)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 人工衛星 / 観測 |
研究概要 |
我々は飛翔体によるガンマ線バーストの監視のために、HETE-II(Hgh Energy Transient ExplorerII)衛星と、国際宇宙ステーションに搭載する全天X線監視装置(MAXI)の開発を行なった。このうちHETE-II衛星は、日本時間2000年10月9日に打ち上げられ、所定の軌道に投入されている。この衛星の準備のため、我々は1997年度から搭載する観測装置として、稼働に失敗した前号機に搭載されたものよりも検出効率やバックグランド除去率を改良した設計・製作を行ない、性能試験、環境試験を繰り返してHETE-II衛星の打ち上げに備えた。衛星の打ち上げ後は、初期運用試験、地上局との交信試験、検出器の動作試験を行ないながら、衛星運用のためのコマンド送出手順を決定するとともに、軌道上での校正データも取得した。この間の試験観測およびその後の定常観測において、2001年3月26日現在でガンマ線バーストらしき現象を20例発見し、このうち10例は他の衛星などにより確認されている。 また、我々はHETE-II衛星と連携して地上で可視光追観測を行なうシステムを宮崎大学に構築した。これはHETE-II衛星によりガンマ線バーストが発見され、その位置情報がインターネットを通してコンピュータ-に送られると、自動的に観測態勢にはいる小型の望遠鏡で、情報入手後10秒程度で可視光追観測を行なうことができるものである。このシステムにより得られる観測画像データを、ガンマ線バースト発生前の観測画像やカタログと比較することにより、10秒程度の撮影時間でも18等級までの未知天体を短時間で自動的に検出できることがわかった。 さらに我々は実際の観測において、日本の衛星によるデータからガンマ線バーストが放射するX線のスペクトルには、二つのエネルギー範囲で折れ曲がりの存在することがわかった。これはガンマ線バーストのスペクトルが変化する可能性を示唆するものである。
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