研究概要 |
非線形のカオス素子系の基本となるものは,1次元写像素子の大域的結合模型(Globally Coupled Map Lattice)である.本年度は,GCLMの解析とその拡張E (xtended) GCLMの構成を行った.GCLMでは次の2つの顕著な結果が得られた.1.GCLMの27クラスター相で,外部入力により2つのクラスター間の員数比のアンバランスを行うと,ポジネガが反転スイッチがおこる。このときに,過渡的にカオティックな中間プロセスがおこるが,そのとき何故,クラスターに写像が属するやり方が保存するか,これまでわかっていなかった。本解析により,これは,平均場に対する素子の大小関係が,決して混合をおこおさない化組が,GCLMに存在するためであることが解明された。2.GCLMの乱流領域ではこれまで,いわゆるhidden coherenceとよばれる長時間相関がおこることが知られていたが,本研究では,hidden coherenceのみならず,準周期運動が殆んどあらゆる領域でおこっていることが解明された。さらに,EGCMLは,上記1,2をそのままもつ他,中型相互作用のもとでの非線形拡散のため,興味深い空間構造を作ることが判った。
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