π^+π^-原子崩壊の寿命測定による非摂動領域でのQCDの検証実験のために超近接パルス分離装置(ダブルサイドCFD)を開発した。24GeVの陽子ビームで生成したπ^+π^-原子は、ターゲット箔を通渦中に解離しπ^+π^-対になり、4m下流のトリガーカウンタであるシンチレーティングファイバホドスコープ上でお互いに9mm以内の狭い領域に放出される。このダブルパルスを位置検出型光電子増倍管(PSPM)で遅延読み出しをし粒子の入射位置を決める。 本年度は、トレイリングエッジ側のCFDとフロントサイド側のCFDを組み込んだダブルサイドCFD回路を制作し、π^+π^-原子崩壊測定用トリガーホドスコープ検出器と組み合わせてビーム実験を行った。ダブルパルス分離は、0.5mm5層厚のシンチレーティングファイバからの信号では少々光量が少なくパルス波形が安定しないことで、セカンドパルスがOnsccから1.5nsccまではジッターが大きくシングルとダブルの区別を誤る確率が大きがった。2nsの時間信号の分離つまり0.2mmの位置分離は十分達成できてた。しかし時間差のある2粒子(偶然同時計数)があった場合、この回路だけでは位置の違いと判断される。PSPMのダイノード信号(位置による時間差は出ない)に対しても同じ回路を使用し、位置の差、時間差の2信号を作ることにより必要な情報をリアルタイムで得ることができる。今回は、後者のテストはできなかったが超近接パルス分離装置(ダブルサイドCFD)がトポロジカルな情報を必要とするトリガー系に使用可能であることがわがった。
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