種々の超対称模型で、レプトンフレーバーを破る過程に関する理論計算を行ない、将来の実験の可能性を検討した。 1.SU(5)及びSO(10)超対称大統一理論でμ→eγ、μ→3e過程を調べた。偏極ミューオンの崩壊を使うことにより空間及び時間反転対称性の破れに関する非対称性を測定することができるが、これらの量が、模型を区別するのに有用であることを具体的な計算によって明らかにした。特にSU(5)模型では超対称模型のCPの破れに関する情報が得られることを示した。 2.現実的なクォーク、レプトンの質量を与えるSU(5)超対称大統一模型では、μ→eγの分岐比が大きくなることを具体例をとって示した。 3.右巻きニュートリノを含む超対称大統一理論で、レプトンフレーバーの破れる過程及び、BやK中間子のフレーバーチェンジングーニュートラルカレントの計算を行ない.これらの観測量にどのような相関があるかを明らかにした。 4.タウ粒子が対生成する過程でレプトンフレーバーの破れを探索する場合崩壊粒子の角分布を利用することによりレプトンフレーバーを破る相互作用の時間、空間不変性に関する性質を決めることができることを示した。 5.その他関速する研究として超対称模型におけるフレーバーチェンジングニュートラルカレントやミュー粒子の異常磁気能率の計算を行なった。
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