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1998 年度 実績報告書

B中間子の輻射崩壊に対する2-ループ補正

研究課題

研究課題/領域番号 09640384
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

藤本 順平  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)

研究分担者 清水 韶光  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20011744)
キーワードB中間子 / 輻射崩壊 / 2-ループ補正 / 自動計算システム
研究概要

本研究は、B中間子の輻射崩壊過程のb→sγに対する2ループ補正を計算することが目的である。近年、この過程に対する電弱理論による補正計算の必要が説かれるようになり、今年度はこれに重点をおいて本研究を遂行した。しかし、電弱理論では関連する粒子の数が多いため、膨大なファインマン・グラフの計算が必要となる。このため本計画では、従来ツリー図及び1ループ図の計算に開発された自動計算システムGRACEの機能を拡充し2ループ図を計算することとした。GRACEにより得られたファインマン図の数は3984であった。この過程の最低次のファインマン図が10であるので、都合、3984×10=39840個の遷移行列を計算しなければならない。これは、従来の1ループ用GRACEシステムの素朴な拡張版を用いると、39840個の関数を計算することを意味する。これを改善するため、遷移行列ではなく、遷移振幅を計算するように変更し、3984+10個の関数を数値積分すればいいようにシステムを改良した。また、ファインマンパラメータの数値積分に適した表現として、木下・クビタノビック表式を採用することに決定した。この表式では、ファインマン図のトポロジーごとに計算準備が異る。本過程では、純粋な2ループ図のトポロジーとして、7種、1ループ図と相殺項が現れるトポロジーとして、9種あることが判明した。今年度は、純粋な2ループ図のトポロジーの中から、交差型及び平面型と呼ばれる典型的なトポロジーを用いGRACEシステムで2ループ図を計算出来るようにした。このうち、グラフによって積分変数のファインマンパラメータに対して、被積分関数が正となるところと、負になるところで対称的な相殺が起き、数値積分が極めて不安定になることが判明した。いくつかの試みを行ったが、問題は数値積分法そのものに起因するので、他のグラフと抱き会わせて積分を行うという方法でこれを回避することとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.Fujimoto et al.: "SUSY23:An event generator for supersymmetric processes at e^+e^- colliders" Comput.Phys.Commun.111. 185-216 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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