研究課題/領域番号 |
09640387
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邊 誠 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00025397)
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研究分担者 |
江島 丈雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80261478)
羽多野 忠 東北大学, 科学計測研究所, 研究機関研究員
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キーワード | 磁気旋光 / ファラデー効果 / 軟X線 / 多層膜偏光子 |
研究概要 |
本研究の目的は、軟X線多層膜を用いて磁性体の磁気旋光、特にファラデー回転を実験室でも可能とする装置を開発し、この測定結果とこれまでの放射光を用いた磁気円二色性によって得られた結果との無矛盾性を確証し、磁性体の電子構造の研究手段としての有用さを実証することである。測定領域は50-120eVである。本年度は主として磁気旋光測定装置を製作し、組立・調整を行った。磁気旋光測定装置は、光軸に対して平行な磁場を磁性体薄膜試料に印加し、軟X線直線偏光をこれに入射させ、透過光の偏光面の回転を測定する装置である。磁場発生装置には我々がすでに別の用途で利用したSm-Co系永久磁石を用いた。これは、小型かつ電力不要という利点を持っている。直線偏光の生成および偏光回転の測定には、それぞれ上記の軟X線多層膜を光軸に対して約45°傾けて置いた偏光子と検光子を用いた。その角度は測定波長に応じて45°のまわりで微調整することができ、さらに検光子をパルスモーターで駆動して光軸の回りに回転させ、その回転角に対する透過量の変化から磁気旋光の角度を得ることができるものである。光強度の測定には軟X線検出器(MCP)を用いた。本装置を製作するために軟X線検出器等を購入した。また、本装置は軟X線用であるため全体を真空容器の中に収める必要があるので、ステンレス容器を製作し、排気系としてターボ分子ポンプを購入した。現在真空テスト等を行い、次年度からの本格的実験に備えている。なお、反射型および透過型のAl/YB_6系多層膜偏光子・検光子の開発も進めた。
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