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1997 年度 実績報告書

時間分解分光法によるプロトン移動型フォトクロミック化合物の光構造相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640389
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜国立大学

研究代表者

武田 淳  横浜国立大学, 工学部, 講師 (60202165)

研究分担者 栗田 進  横浜国立大学, 工学部, 教授 (30089833)
キーワードフォトクロミック化合物 / プロトン移動 / ジニトロベンジルピリジン / ポンプープローブ分光法 / 光構造相転移
研究概要

ジニトロベンジルピリジン(α-DNBP)分子は、紫外光照射により無色相から青色相へ、可視光照射あるいは熱により可逆的に青色相から無色相へ分子内プロトン移動を伴って構造変化を起こす物質であるが、青色相が熱的に不安定なため(ミリ秒程度で無色相に戻ってしまう)、そのプロトン移動のメカニズムはいまだ明らかにされていない。
本年は、1)無色相から青色相へいかなる速さで光誘起分子内プロトン移動が生じるのか、2)青色相にはプロトン移動の生じる位置によりNH型、OH型2通りがあるが、この2つの間を熱的にいかなる速度でプロトン移動が生じるのかを、各々、フェムト秒及びナノ秒ポンプープローブ過渡吸収分光法により明らかにすることをめざした。また、α-DNBP結晶の電子状態を明らかにするために、軌道放射光を用いて幅広いエネルギー領域(2〜30eV)にわたって結晶の偏光反射スペクトル測定及び分子軌道法による吸収スペクトル計算をおこなった。
その結果、1)光誘起プロトン移動は、300-500fsecで生じること、2)OH型からNH型へは、5μsec程度で、NH型から無色相へは20msec程度で熱的にプロトンが移動することが明かとなった。また、偏光反射スペクトル解析・分子軌道法計算から、3)この物質のダビドフ分裂は〜3000cm^<-1>と非常に大きく分子間相互作用が大きいこと、4)無色相では、第1HOMO-LUMO遷移が禁制であり吸収が可視域に現れないことが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Jun Takeda, D.D.Chung, J.Zhou and K.A.Nelson: "Intramolecular proton transfer of a 2- (2^1, 4^1-dinitrobenzyl) pyridine studied by femtosecond transient absorption spectroscopy" Chemical Physics Letters. (発表予定).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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