AlGaAs/GaAs単一ヘテロ接合界面に実現するほぼ理想的な2次元電子ガスについて、 1. プラズマ集団励起の振動スペクトルの計算 2. 電荷変動や近接電場の計算とパターン特性の解明 の2点を中心に2年間にわたる研究を計画・遂行した. 昨年度から引き続く今年度の成果は、次の4点である. 1. 表面グレーティングを付けたヘテロ接合界面にある2次元プラズマ励起からの遠赤外線放射スペクトルの計算を行い実験との比較を行った. 2. ハートレー近似による横方向周期的密度変調の2次元電子系のミニバンドと電荷密度プロファイルの計算を行った.プラズマ励起分散もこの基底状態をもとに調べた.ブラズマバンドに現われるギャップや分散の勾配がミニバンド状態に大きく依存することを見い出した. 3. 上記の計算をもとに、プラズマ振動に伴う電荷や近接電場のパターンの計算を試みた. 4. 2次元プラズマ励起を観測するためにAlGaAs/GaAs単一ヘテロ接合からの共鳴光散乱測定を行った、その結果、サブバンド間プラズモン励起に大きな温度依存性を見い出した.
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