次の項目を実施した。 1.真空蒸着薄膜作成装置の構築(平成9年6月-10月期): 既存の真空槽を改良して、新たに真空蒸着薄膜作成装置を構築した。 2.試料の作成(平成9年10月-平成10年2月期): NaCI型のアルカリハライド単結晶基板上に、NaCI型構造をもつセシウムハライド薄膜のエピタキシャル成長を試みた。出来上がった薄膜結晶の品位が、真空度、基板の清浄度等の実験的条件に強く左右されることがわかった。今後この点の改善と改良が課題になると思われる。 3.Nd:YAGレーザの整備(平成9年11月-平成10年3月期): HOYAコンテニュアムからQスイッチNd:YAGレーザーを購入し、その発振特性を調べた。また、それを用いて幾つかの半導体及びイオン結晶を励起し、結晶からの発光を既存の分光器で観測した。 4.フッ化鉛の励起子スペクトルの測定(平成9年9月-平成10年3月期): 立方晶と斜方晶の二つの異なる結晶構造をもつフッ化鉛(PbF_2)の励起子反射スペクトル及び発光スペクトルを詳しく調べた。その結果、励起子の緩和形態が結晶構造の違いに強く依存することがわかった。
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