研究課題/領域番号 |
09640396
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石原 一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60273611)
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研究分担者 |
安食 博志 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (60283735)
張 紀久夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60013489)
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キーワード | 非線形光学 / パルス応答 / 励起子 / ポラリトン / 超高速応答 / ナノスケール物質 / 薄膜 |
研究概要 |
本年度は、昨年度までに発展させてきたパルス計算法を4光波混合による位相共役信号の計算に適用し、内部電場の空間構造が著しく現れる条件下で位相共役信号がどのような時間特性を示すのかを明らかにした。また、様々な励起子閉じ込め系に対して本方法を適用する準備として周期的に閉じ込められた励起子の線形光学応答、及び単薄膜の4光波混合信号の定常状態での計算を行った。 ・4光波混合過程への適用 入射光に膜に水平方向の小さな波数ベクトル成分を導入し、応答場をフーリエ変換することにより位相共役光に対応するモードを分離する方法を採った。 ・得られた知見 (1)ナノスケール薄膜中では、位相共役信号は基本的に薄膜内での入射波のナノスケールなFabry-Perot干渉の影響を強く受け、応答時間特性にそれを反映した強い構造が現れることが分かった。また、位相共役信号自体も多重干渉を起こし、その効果が入射パルスが通過した後も残ることも明らかになった。これらは励起子の重心運動閉じ込め領域の試料に対するパルス応答の時間特性を支配する重要な因子と考えられ、実験結果を解析する上でも極めて重要な知見である。 (2)最近、励起子の重心運動閉じ込め領域の試料からの4光波混合信号に長波長近似の選択則を破った形で閉じ込め準位間のビートが現れることが報告されているが、本方法による計算で確かにそのようなことが起こり得ることを裏付けた。
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