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1998 年度 実績報告書

重い電子系セリウム化合物における非フェルミ液体現象

研究課題

研究課題/領域番号 09640413
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

村山 茂幸  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10157802)

研究分担者 関根 ちひろ  室蘭工業大学, 工学部, 助手 (60261385)
高野 英明  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70154804)
キーワード重い電子系 / 反強磁性 / スピン密度波 / フェルミ面のネスティング / フェルミ液体 / ギャップ / 非フェルミ液体
研究概要

c軸方向に大きな磁気異方性を持つ常磁性の重い電子系CeRU_2Si_2のRuサイトをRhで置換したCe(Ru_<1-x>Rh_x)_2Si_2は、0.05≦X≦0.3で不整合なサイン構造(波数、モーメントの方向ともc軸方向)をもつ反強磁性秩序が発生する。
本研究において、まずこの系の電気抵抗、比熱、磁化率の測定が行われた。その結果、ネール温度において重い電子のフェルミ面上にc軸に沿ってネスティングが発生し、フェルミ面の一部にギャップが開くことが示唆された。従って、この系の反強磁性はフェルミ面のネスティングに伴うSDW(スピン密度波)であると結論づけられた。また、同じ試料に外部磁場を印加して電気抵抗、比熱、磁化率の測定が行われた。その結果、c軸方向の磁場3.5T以上ではギャップが崩壊して重い電子のフェルミ面が完全に復活し、常磁性のフェルミ液体状態となることが判明した。
次に、SDW相と常磁性相との低濃度臨界領域であるx=0.03、および高濃度臨界領域である0.35,0.375,0.4の単結晶試料において、電気抵抗、帯磁率の測定が行われた。その結果、x=0.03においては低温でフェルミ液体的な温度依存性:帯磁率一定、電気抵抗∝T^2が観測された。一方、x=0.35,0.375,0.4においては非フェルミ液体的な温度依存性:帯磁率∝-√T、電気抵抗∝Tが、それぞれ、観測された。従って、この系のRh高濃度側x≧0.35において、非フェルミ液体相が存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 関根 ちひろ: "思い電子系セリウム化合物におけるフェルミ面のネスティングとSDW転移" 強相関伝導系の物理 研究成果報告書. IV. 203-207 (1998)

  • [文献書誌] Chihiro Sekine: "Low-temperature magnetization of Ce(Ru_<0.85>Rh_<0.15>)_2Si_2" Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 177-181. 411-412 (1998)

  • [文献書誌] Shigeyuki Murayama: "Magnetic properties of heavy fermion Ce(Ru_<1-2>Rh_x)_2Si_2" KEK-MSL Annual Report. 1. 21-21 (1998)

  • [文献書誌] S.Murayama: "Spin-Density-Wave Transition and μSR in the heavy-fermion Ce compounds" Proceedings of the International Workshop on JHF Science. III. 349-352 (1998)

  • [文献書誌] Shigeyuki Murayama: "Spin-Density-Wave Transition and μSR in the Heavy-Fermion Ce(Ru,T)_2Si_2,T=Rh,Pd" JJAP Series : Physics of Strongly Correlated Electron Systems. 11. 15-17 (1999)

  • [文献書誌] C.Sekine: "High-pressure resistivity of Ce(Ru_<0.85>Rh_<0.15>)_2Si_2" Physica B. 印刷中(in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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