| 研究課題/領域番号 |
09640424
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| 研究機関 | 新潟大学 |
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研究代表者 |
長谷川 彰 新潟大学, 理学部, 教授 (40004329)
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| 研究分担者 |
家富 洋 新潟大学, 理学部, 助教授 (20168090)
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| キーワード | 電子エネルギーバンド構造 / フェルミ面 / 一般化密度勾配近似 / ウラン化合物 / スピン軌道相互作用 / 相対論的電流スピン密度汎関数理論 |
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| 研究概要 |
局所密度近似の交換・相関ポテンシャルおよび相対論的線形化APW法に基づき、パウリ常磁性をしめすウラン化合物UFeGa5の電子構造を計算し、その結果からフェルミ面を導いた。このウラン化合物の結晶構造は単純正方格子である。フェルミ準位近傍では、Uの5f成分とGaの4p成分がよく混成している。フェルミ面は第15バンドから形成されており、シリンダー状とクロス状の2種類のシートから成る。このウラン化合物に対するド・ハース-ファン・アルフェン効果は大阪大学及び日本原子力研究所の実験グループにより測定されつつある。その予備的な実験結果から予測されるフェルミ面の形状は、本研究の理論計算から導かれたフェルミ面の形状とほぼ一致する。このような理論と実験の一致は、このウラン化合物がパウリ常磁性であること、および実験的な電子比熱係数が中程度の大きさ(40mJ/K2mol)であることからも予想される結果である。つまり、このウラン化合物はUCやUB12と同じカテゴリー(価数揺動状態)にあり、5f電子はGaの4p成分との混成により結晶内をよく遍歴していると考えられる。
次に、重い電子系であるUBe13の電子構造を計算した。以前におこなった予備的な計算から予想されたとおり、このウラン化合物の電子構造は半金属的である、少数の電子とホールが存在する。フェルミ面はホール面が二つ、電子面は一つである。このウラン化合物に対しては、一般化密度勾配近似(GGA)に基づいて電子構造を計算し直したが、局所密度近似による結果とほとんど同じ結果が得られた。アメリカの実験グループがパルス磁場を用いてド・ハース-ファン・アルフェン効果を測定している。予備的な実験結果によれば、小さい形状のフェルミ面が観測されており、本研究の計算結果はこの実験と矛盾しない。
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