研究課題/領域番号 |
09640425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
石川 義和 富山大学, 理学部, 教授 (20143836)
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研究分担者 |
前沢 邦彦 富山県立大学, 工学部, 教授 (90099408)
桑井 智彦 富山大学, 理学部, 助手 (10251878)
水島 俊雄 富山大学, 理学部, 助手 (50135000)
桜井 醇児 富山大学, 理学部, 教授 (30033814)
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キーワード | サイン波構造 / 重い電子系 / ドハース=ファンアルフェン効果 / 近藤効果 / 磁気抵抗 / 非局在性 / 補償された金属 |
研究概要 |
CeNi_2Al_5の磁気構造は基底状態でサイン波構造をしていることがわかっている。しかし、このようなサン波の磁気構造は伝導電子を媒介として近藤効果が何らかの働きをしているのではないかと考えられる。それを具体系に確かめることが今回の研究目的である。初年度の具体的な目的は(1)ドハース=ファンアルフェン効果の実験の立ち上げ、と(2)CeNi_2Al_5及び参照物質としてのLaNi_2Al_5の作製とそれらの磁気抵抗である。 (1)については、学内共同利用施設の15テスラ、15mKの希釈冷凍機付きの超伝導磁石の準備がなされている。データが出せるまでに至っていない。 (2)については、100mKないし150mKにおいてCeNi_2Al_5のすべての主軸(a,b,c軸)に対しての横磁気抵抗のデータが得られた。また、LaNi_2Al_5についてはすべての横磁気抵抗の角度依存性が得られた。その結果、もともとLaNi_2Al_5は補償された金属と考えられるが、今回の実験結果とよく一致した。一方、CeNi_2Al_5の場合、仮に、Ceの4f電子を局在電子と見て価電子数をLaNi_2Al_5と全く同じであると考えると、CeNi_2Al_5は補償された金属になる。しかしながら、CeNi_2Al_5の横磁気抵抗の実験結果は、LaNi_2Al_5のそれと全く逆の傾向を示していた。すなわち、CeNi_2Al_5の4f電子は、局在電子としての振る舞いではなく、明かに横磁気抵抗に関与していると考えられた。近藤効果の影響によってCeの4f電子が遍歴しており、それによりフェルミ面の形状が変形されている可能性が示唆された。
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