研究概要 |
1.B20型化合物MnSi,FeSi MnSiとFeSiの電子構造がLMTO法で計算された。固定スピンモーメント法による計算から、MnSiは格子定数が小さくなると、常磁性に1次転移をし、メタ磁性が現れることを計算により示した。これは高圧下での実験結果と一致する。また、狭いバンドギャップをもつ半導体FeSiについても同様な計算を行い、メタ磁性転移磁場を評価した。この結果は、極く最近ロシアで行われた実験結果と一致している。 2.CeCo_4B、R_2Co_7B_3の核磁気共鳴 CeCo_4B、R_2Co_7B_3(R=Y,Ce,Nd,Sm,Gd)のNMR測定が行われ、Co原子上の磁気モーメントが評価された。CoCo_4Bの場合、2cサイトのCo原子上の軌道磁気モーメントが大きいことが分かった。また、Ce_2Co_7B_3では、70kOeの磁場でメタ磁性転移が起きることが見出された。 3.UCoAlのメタ磁性転移と帯磁率極大現象 5f電子系化合物UCoAlのメタ磁性転移と帯磁率の圧力変化が測定され、遍歴電子メタ磁性に関するスピン揺らぎの理論を用いて解析された。帯磁率極大温度から評価されたメタ磁性転移磁場の温度変化の計算は実験と良く一致しており、この模型の正当性が立証された。 4.C14型ラーベス相化合物(Sc,Ti)Fe_2 ScFe_2、TiFe_2およびそれらの混晶の電子構造がLMTO法で計算された。大きなモーメントをもつ強磁性状態、小さなモーメントをもつ強磁性状態それに反強磁性状態の3つの磁性状態が計算により得られた。また、それらの磁性状態の体積依存性が議論され、実験結果を説明することができた。
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