イッテルビウムやウラン化合物には、価数揺動状態や重い電子状態になるものが数多くある。これらの状態の出現はf電子と伝導電子が混成することに由来する。希土類原子間距離d_<R-R>と価数揺動状態や重い電子状態の出現には強い相関があり、d_<R-R>≦4.5Åの領域で価数揺動状態や重い電子状態が観測される。本研究では、d_<R-R>が4.5Åの臨界値より大きな又は小さな値を持つYb化合物のドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果の測定を通して、c-f混成効果が電子のサイクロトロン有効質量、フェルミ面などフェルミオロジーに与える影響について、系統的に調査することを企図したものである。ここではd_<R-R>=5.59ÅであるYbZn_<11>、d_<R-R>=4.68ÅであるYbSn_3、d_<R-R>=4.20ÅとなるYbBi_2、d_<R-R>=4.20ÅであるYbAl_3等の化合物、さらにUGa_2(4.0Å)に注目し、参照化合物LuAl_3も含めてこれらのドハース・ファンアルフェン効果の測定を行った。d_<R-R>>4.5ÅであるYbSn_3およびYbZn_<11>ではサイクロトロン有効質量m*は0.1m_0の程度であり、c-f混成は顕著ではなかった。YbBi_2ではm*は3000Tの軌道で1.4m_0とYbSn_3に比べて4〜5倍重いものであり、著しいc-f混成を示唆する結果であった。UGa_2では最大で2000Tの周波数が観測され、m*=3m_0と大きく、また振動振幅に著しい磁場依存性があり、5f電子の混成の効果を顕著に見ることができた。YbAl_3はRRR=100に達する良質結晶が得られているが、0.3K領域ではdHvA効果を測定することに成功していない。現在、極低温下での測定を進めている。この物質の参照系であるLuAl_3は10^4Tの球状のフェルミ面を持ち、m*
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