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1999 年度 実績報告書

固体酸素の電子状態と圧力誘起複合相転移の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 09640433
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 直  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029559)

研究分担者 宮城 宏  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (10029473)
キーワード固体酸素 / フルポテンシャルLMTO法 / 反強磁性状態 / 圧力誘起絶縁体-金属転移 / 電荷分布とスピン分布 / 固体セレン / β-Po構造とbcc構造 / 圧力誘起超伝導
研究概要

今年度は、固体酸素における圧力誘起絶縁体-金属転移の際の電荷分布およびスピン分布の変化を計算すると同時に、酸素と同族であるセレンの単原子相における圧力誘起超伝導を第一原理計算(フルポテンシャルLMTO法)に基づいて調べ、次の成果を得た。
固体酸素における電荷分布およびスピン分布の圧力依存性
α相の結晶構造を仮定し格子定数の比は測定値に固定して、体積を変化させながら反強磁性状態における電化分布とスピン分布の計算を行った。常圧に相当する体積では電荷・スピンともに酸素分子上によく局在しており、バンドオーバーラップによる金属化が起こり始めると電荷分布に広がりが生じると同時に分子上のスピンモーメントが減少を始め、100GPaに相当する体積では、酸素分子は比磁性となり隣同士の酸素分子の電荷密度に重なりが生じる。
β-Poおよびbccセレンにおける圧力誘起超伝導
60GPaから150GPaで実現されるβ-Po構造セレンおよび150GPa以上で実現されるbcc構造セレンに対して電子帯構造のみならず格子振動および電子格子相互作用も第一原理的に計算し、超伝導転移温度(T_c)の圧力依存性をはじめて評価した。bcc構造のセレンについては、T_cが減圧により著しく増加する結果を得たが、これは、ブリルアンゾーンINライン上の横モードの一つが減圧に伴って顕著にソフト化するためであることを明らかにした。また、β-Po構造セレンにおけるT_cの圧力依存性については、圧力にほとんど依存しないという結果が得られ、β-Po構造からbcc構造への相転移に際してT_cの飛びがあり、大きく上昇することを見出した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Otani: "Theoretical Study on Electronic Structure and Lattice Dynamics of Solid O and Se under High Pressures"Rev. High Press. Sci. Tech.. (in press).

  • [文献書誌] M.Otani: "Theoretical Study on Magnetic Properties of Low-Dimensional Oxygen Molecular Assemblies"Physica B. 265. 60-64 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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