研究概要 |
当該課題の中で本年度は特にボーズ粒子集団について理論的研究を遂行した。数年前にアルカリ原子(Na,Rb,Li)ガスが100nK周辺の温度域でボーズ・アインシュタイン凝縮を示すことが実験的に明らかにされた.超流動性がこの系でいかに発現されるかに関しては実験的にはいまだ明らかになっていない.量子渦が生成されればその証拠となると考えられるので理論的にBogoliubov理論の範囲内で渦の安定性の議論を行った.その結果絶対ゼロ度の極限に於いて量子渦は不安定化することを見出した.又温度を上昇させて非凝縮相をつくり出すか或いは渦中心にポニングポテンシャルを導入すると渦が安定化されることを示した.更にボーズ粒子がスピン自由度を持った場合のボーズ凝縮についての理論的考察を行い基礎的に方程式を得た.ほぼ同時にMITで行われた老孝的とじ込め方によるNa集団の実験を基本的に理解することを可能にした。
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