研究概要 |
当該研究課題の下で以下のことについて研究を遂行した. (1)重い電子系の超伝導体UPt_3の対関数の決定.超伝導転移点の分裂という実験事実を基点として,理論的に対関数のしぼり込みを行った.数多くの実験家との広い意味での協同作業によってスピン三重項状態のうちでスピン関数部分と軌道部分と双方について2つの状態にまでその可能性をしぼり込んだ. (2)超低温に於いて観測に成功したアルカリ原子気体に於けるボーズ・アインシュタイン凝縮現象を理論的に考察した.とくに超流動性の発現機構の解明のために量子渦の安定性についてボゴリューボフ理論に基いて研究を展開した.この系の量子渦形成における本来的不安定性を明らかにし,安定化へのいくつかのメカニズムを明らかにした.そのうちの非凝縮相を用いたピニング・メカニズムが最近の渦観測成功の中で確かめられた.
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