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1997 年度 実績報告書

近籐半導体CeRhSbとCeNiSnのラマン散乱

研究課題

研究課題/領域番号 09640437
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

宇田川 眞行  広島大学, 総合科学部, 教授 (70144889)

キーワード近籐半導体 / ラマン散乱 / CeRhSb / CeNiSn / 格子振動 / 電子ラマン散乱 / 擬ギャップ
研究概要

本年度はCeRhSb及びCeNiSnの偏光依存ラマン散乱を、室温から5Kの温度範囲で行った。観測された格子振動の本数より、2つ結晶の対称性がD_<2h>であることが分かった。格子振動については、基準振動解析を行い、CeRhSbの方が、CeNiSnに比べて大きな原子間相互作用を持つことがわかり、両者の格子振動に関与する原子変位の大きさが異なることも分かった。格子振動の温度依存性の測定から以下の近籐半導体に特有の知見が得られた。CeRhSbでは、2つのCeの振動が近籐温度以下で振動数を減少し、同じくCeの振動の1つが擬ギャップ出現温度以下で減少した。一方、CeNiSnの場合には、近籐温度以下で振動数の増大が見られた。このことは、同一の結晶構造をとりながら、電子-格子間相互作用が異なることを示している。すなわち、CeNiSnの場合には、伝導電子と局在f電子間のRKKY相互作用が原子間相互作用に加算的に加わるのに対して、CeRhSbでは逆に働いていることを示している。従って、従来考えられてきた高密度近籐状態が、格子系に対しては画一的なものではないだけにとどまらず、格子系の動的性質まで考慮して解明しなければならないことを意味する重要な知見であるといえる。また、電子ラマン散乱から、低温で現れる擬ギャップのエネルギーが求まり、CeRhSbに対しては、ギャップエネルギー=36Kとバンド幅=72K、CeNiSnでは、ギャップエネルギー=29Kとバンド幅=58Kが得られた。得られた値は、比熱の結果を支持するものである。以上の成果についての論文を現在準備中である。
また、他の近籐絶緑体であるYbB_<12>についてもラマン散乱を行って、エネルギーギャップの大きさが約200Kと得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 宇田川 眞行: "近籐半導体CeNiSnとCeRhSbのラマン散乱" 強相関伝導系の物理ニュースレター. 3巻・1号. 75-84 (1997)

  • [文献書誌] Norio Ogita: "Raman Scattering Investigation of Y_2BaNiO_5" J.Phys.Soc.Japan. 66巻・3号. 873-876 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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