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格子定数(C60分子間距離)の異なる多数のアルカリ-C60化合物について、4Kから400Kの温度領域において核磁気共鳴(NMR)実験を行った。また、0.5Kまで温度を下げるためにヘリウム3クライオスタットの、また、圧力下のNMR実験のために圧力セルの準備を進めた。アルカリ_-C60超伝導体系の電子状態については、次の重要な結果が得られた。
1。アンモニアーA3C60超伝導体の電子状態は低温で大きく変化することが分かった。また、冷却速度により低温の電子状態が異なることが示唆された。
2。特に、(NH3)K3C60は低温で金属から磁気的絶縁体相へ相転移することが明らかになった。A3C60超伝導体はMott絶縁体に近接した超伝導体であることが強く示唆された。
3。典型的なA3C60超伝導体であるK3C60について、詳細なNMRの解析を行い、大きくはないが無視できないスピン揺らぎの存在をはじめて明確に示すことができた。
4。ナイトシフトとSQUID磁束計による磁化測定により、スピン磁化率の格子定数依存性を決定した。また、近藤効果を示す磁性不純物の存在が示唆された。近藤温度はおおよそ500Kである。
5。A3C60の13C核の超微細結合定数(テンソル)を全ての成分を決定することができた。
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