研究課題/領域番号 |
09640444
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
石井 廣湖 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047167)
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研究分担者 |
小栗 章 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10204166)
畑 徹 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10156333)
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キーワード | 超低温 / 基底一重項系 / ヴァンヴレック定磁性 / s-f交換相互作用 / 核磁性 / RKKY相互作用 / 核スピン緩和 / 負温度 |
研究概要 |
本研究課題は、プラセオジム(Pr)等での結晶場基底一重項状態の励起を介した伝導電子間有効相互作用の効果と核磁性に関するもので、本年度は次の研究を行った。 1. 超伝導状態を含む様々な非磁性(一重項)電子状態における核磁性の条件 核磁性の出現条件を、超伝導状態、Kondo一重項状態、重い電子系状態など様々な非磁性状態で調べている。非磁性電子状態の非局所帯磁率を計算し、核スピン間RKKY相互作用がどのように増大されるかを明らかにする。 2. f軌道縮退を取り入れたs-f交換相互作用によるRKKY相互作用と核磁性 我々はf軌道縮退を取り入れたs-f交換相互作用とそれによるPr系の核スピン間RKKY相互作用を導出したが、これによる核磁性の研究を行った。サイン構造とヘリカル構造での帯磁率と臨界磁場を平均場近似で求めた。 3. ナノケルヴィン温度域での核スピン緩和 この研究はヘルシンキ工科大との共同研究である。ナノケルヴィン温度の超低温でロジウム(Rh)の核スピン緩和は、正温度に比べ負温度では2倍ほど遅いことが実験的に見出されていたが、その理由は解明されぬまま残されてきた。本研究は、超低温での核スピン緩和の公式を導出し、それに高温展開の高次の結果を適用して実験結果の説明に成功した。核スピン間相互作用が核スピン系エネルギースペクトルに正負の非対称を作りそれが正負温度での緩和の非対称をもたらす原因となっていることを明らかにした。
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