以下の研究が行われた 1.一次元の二重縮退のあるハバード模型の基底状態を、有限サイズ密度行列繰り込み群を用いて計算し、基底状態の相図を求めた。この結果と昨年行われた無限大次元における研究を比較することにより、金属強磁性に対するフロント結合の効果がかなり明らかになった。1サイト当たりの電子数密度をnとすると、1【less than or equal】n<2では強磁性が次元によらずフント結合によって安定化される事がはっきりした。一方n<1では一次元と無限大次元の結果が異なっており、さらに2次元3次元での研究が必要である。この結果は平成11年度中 2.無限大次元単純立方格子上の二重縮退のあるハバード模型を動的平均場の方法を用いて調べ基底状態の相図を求めた。この結果n<1の場合は強磁性が現れないが、n【greater than or equal】1の場合は広いパラメータの領域で強磁性が現われる事が、明らかになった。又、n=1とn=2の近傍で相分離が現わ 1.と2、の研究により、n>1の場合、二重交換相互作用により金属強磁性が次元性によらず安定に現われる事が明らかになった。 3.一般の大きさSのスピンを持つ二重交換模型の1電子グリーン関数に対する単サイト近似を構築し、それを用いてこの系の電子状態及び電気抵抗を計算した。 4.S=1/2のスピンを持つ二重交換模型の基底状態の相図を無限大次元単純立方格子において計算した。この結果強磁性、反強磁性、相分離の出現が確かめられた。また古典スピン系との比較により、スピンの揺らぎの量子効果が明らかになった。結果は現在投稿準備中である。
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