研究課題/領域番号 |
09640456
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 毅夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011113)
|
研究分担者 |
星 健夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教務職員 (80272384)
山元 進 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30262041)
|
キーワード | 相関の強い系の電子構造 / 第一原理電子構造計算 / 密度汎関数理論 / 1電子グリーン関数 / 自己エネルギー / GW近似 / LMTO法 / レスポンス関数 |
研究概要 |
相関の強い系、遷移金属固体、遷移金属酸化物、稀土類金属、などの電子構造を第一原理から信頼性高く求め、あるいはその物性を予測することを、基礎物性および応用の両面から強く求められている。今日、多くの固体、分子等の電子構造を第一原理的に求めることが可能になっているがそれらは密度汎関数理論特にそのうちの局所密度近似(LDA=Local Density Approximation)あるいは密度勾配展開(GGA=Generalized Gradient Approximation)によっている。しかし上記の相関の強い系、あるいは励起状態に対してはこれらの方法が不十分であることが明らかになってきた。 本研究では変分原理にもとづく密度汎関数理論によらず、直接に1電子グリーン関数の自己エネルギーを、動的遮蔽効果の最低次の項を求めることで取り扱うGW近似を発展させることを目的としている。現在、GW近似をLMTO法の枠内で定式化し、プログラムに組み込んだところである。ここでは固体中の電子の波動関数をLMTOの構造因子を用いて展開することによりクーロン積分を精度良く見積もっている。レスポンス関数の計算では大きな非対称行列の逆を計算する必要があるが、これを短時間に計算することができると十分一般の系で使うことのできる方法となる。現在この点を含めて計算時間およびメモリ使用量を短縮するための努力をしている。
|